文化庁「次代の 文化を創造する新進芸術家育成事業」令和4年度 現代舞踊新進芸術家育成Project「アウトリーチProject:劇場外での実践と地域へのコミットメント」
このプロジェクトは、自ら日本全国の公共スペースや商業施設などの使用許可を取得し、劇場以外の空間でダンスに興味のない(チケット代を支払って劇場にダンスを観にいかない層)観客の前で、自身の作品を上演・パフォーマンスを行うというもの。
前回の第1段アウトリーチ企画では、日本橋三越本店さんの中央ホールをお借りして、『身体と化す体』を上演させて頂きました。コロナ禍真っ只中だったこともあり、マネキンに扮した感情を無くした「体」が、生演奏の音色に感化されて「身体」へと変容していく様を表しました。
今回の第2段アウトリーチ企画では、昨年の夏、たまたま訪れたことをきっかけに一目惚れしてしまった、角川武蔵野ミュージアムさんにダメ元で打診。まさか実現させて頂けるとは......本当に私は出会いに恵まれていると改めて感じます。ここは国立競技場のデザインをした建築家 隈研吾氏が設計をした美術館。木をふんだんに使用した国立競技場とは対照的に、2万枚の花崗岩で覆った、何度見ても息を呑むダイナミックな石の建築です。
場所のイメージもあり、今回はダンサーが大きな花を口に咥え、「アスファルトに咲く花」をテーマに、『アスファルトに咲く』を上演させて頂きました。条件が厳しければ厳しいほど、強く逞しく育つ花の自然法則をもとに、地に足をつけて、粘り強く生きる様を表しました。やはり、舞台芸術は"生"が一番と思って下さる方が一人でもいらっしゃることを願うばかりです。改めまして、ご来場くださった皆様、あの場で偶々遭遇してくださった皆様、有難うございました!
前回に引き続き、 VEHEMENTRYとして、力を貸してくれたダンサーズのみんなには本当に感謝。取りづらい音楽を使用した上に、嫌なカウントの取り方を強要したり(笑)花粉症のシーズンだっていうのに、おしゃぶり咥えさせて踊らせたり(笑)それなのに少ないリハーサル時間の中、私の手が回っていないところまで気を利かせて動いてくれて、ありがとう以外の言葉が見つかりません!
また今回も、いつも素敵なお写真と映像を撮ってくださる井上るい @luiinoue さんに撮影をして頂くことができました!現在、動画を編集して頂いているので、公開する際はまたお知らせさせて頂きますね!
劇場で観るダンスも、劇場外で観るダンスも、それぞれの楽しみ方があると信じているので、皆様にも両方の瞬間に立ち会って頂きたいです!終わったばかりで、第3段の目処はたっていませんが、また皆さんにお楽しみ頂ける企画が出来るように精進したします。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
最後になりますが、この企画を実行するにあたり、ご尽力くださいました、角川武蔵野ミュージアムの皆様、現代舞踊協会の皆様に御礼申し上げます。
江上万絢
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